本年度のインテリアプランナー設計製図試験の課題は「高架下にあるシェアードオフィスのインテリア」です。教育普及委員会では、セミナー開催前に実際のシェアオフィスを受講生とともに見学する機会を設けました。
HP上及びセミナー受講生へメールで参加者を募集した所、締切前に上限の10名の応募があり、講師2名を加えて8月27日の午前9時から見学会を行いました。

品川産業支援交流施設「SHIP」

見学先はJR大崎駅から徒歩5分の「品川産業支援交流施設SHIP」。
こちらはオフィススペースやラウンジ、貸し会議室といった一般的なシェアオフィスで用意されているスペースの他に、新商品発表会等で利用可能な多目的ルーム、そして今回の「若手プロダクトデザイナーのシェアオフィス」という課題から出題が予想される「工房」も備えたシェアオフィスです。
SHIPの運営の方の案内で、各スペースをご説明頂きました。

機能的にもデザイン的にもよく考えられたスペースで、利用者のコミュニケーションが促進される様、随所にホワイトボードの壁や掲示板が設けられています。
またロッカーの利用が人気で現状枠は埋まってしまっていること、匂いが拡散するのを防ぐため食事可能範囲を設定していること、多目的ルームは防音が完全ではないためあまりに大きな音が出たりオープンラウンジの利用に支障が出るような企画は断っていること、会議室は中が見えるようガラス張りとしているが目隠しを設置して欲しいという要求が出ていること等、シェアオフィスとしての運営上問題となる点や設計上の留意点となる所を伺うことが出来ました。

今回最も見たかった工房は、3Dプリンターやレーザーカッター、電子顕微鏡を備えた施設です。
機器の使用には研修があり、また技術コーディネーターのサポートもあるそうです。
これだけのデジタル工具機器が揃った工房を中々見る機会がないため、その設置の仕方や利用方法は大変勉強になりました。

シェアオフィス「KOTO」

SHIP見学後は、受講生からの希望者3名と共に東小金井に移動し、JRの高架下にあるシェアオフィス「KOTO」を見学しに行きました。ここは土日は休館のため外観のみの見学でしたが、高架下にある建物という条件設定と、本試験の設定床面積に近いサイズ感を把握することが出来ました。

見学を終えて

本試験では、単に試験問題としての設定条件を満たすだけでなく、周辺環境や社会的な状況を良く理解し実用に足る提案を行う技量を持ち合わせているかを問われています。
今回の見学が、受講生にとって課題に対する理解を深める一助になったことと確信しています。
見学をさせて頂いたSHIPの方々、他ご協力頂いた皆様に感謝致します。

教育普及委員会委員長 黒川哲志

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